占いサイト「退会できない」「1000万円支払った」詐欺相談急増

細木数子、ゲッターズ飯田、星ひとみ、木下レオンなど、占いは「ブーム」で終わらずにいつの時代も多くの人が必要としています。2022年7月8日の「安倍晋三銃撃事件」を転機に、旧統一教会をめぐる高額献金などが社会問題化。霊感商法にも関心が高まっています。インターネットでは高額な支払いをさせる占いサイトが増加し、東京都では昨年度の相談件数が前年の8倍に。「退会できない」「1000万円支払った」詐欺相談も寄せられているといいます。コロナウイルス感染症が蔓延し、将来への不安も高まる昨今。占いとの付き合い方も、考え直さなければならないのかもしれません。

有名監修者占いサイトの乱立と詐欺被害

どの世代にも愛されている占い、ふと何かに迷った時に気軽に利用できる占いサービスは人気を博しています。電話占いやチャット占い、テレビに出演する占い師が監修したように「有名占い師が監修している」とうたう占いサイトも増えています。信頼できるサイトも多くある中で、占いサイトでトラブルが相次いでいるのです。

無料占いのはずが高額請求

SNSの広告で無料の占いを知り、軽い気持ちでアクセスした。占いはチャットやメールでやり取りをするものだった。無料で見てもらえるのは初回だけで、すぐに有料になり「運気が上がる。」「お金が貯まる。」などというアドバイスにはまってしまい、やりとりを繰り返すうちに数十万円の請求が来た。運気が上がったと思えないし、高額なので支払いたくない。（50歳代：女性）

東京都消費生活総合センターには、霊感商法や開運商法に関する相談が急増。「無料占いのはずが、気が付いたら高額な請求になってしまった」と数十万円の支払いを求められた事例を紹介しています。東京都では昨年度「占いサイトに関する相談が前年の8倍に増加」と発表しており、2022年も同等かそれ以上。相談者の7割以上が女性で、その半数が50代以上です。

東京都消費生活総合センターは、無料占いサイトに関する相談について「無料と記載された占いでも、すべてが無料だとは限りません」とアドバイス。占いは「当たらないからこれはサービスとして成立してないと苦情をサービス提供者に伝えられず、解決に向けて動くことが難しい」という状況があるとしています。

金運アップのはずが詐欺被害に

急にお金が必要になって、その時に“占い”サイトの広告を何回か見るようになって、じゃあちょっとやってみようかなと思いました（50歳代：女性）

女性が占いサイトの関心を持ったきっかけは、家の修繕費用が100万円以上かかることになり、貯金が底をつくのではと、不安に駆られた時のこと。サイトには「占いのおかげで宝くじに当たった」と書かれており「無料で鑑定できる」ということで登録。占い師を名乗る人物から「あなたには特別な力が宿っている」「あなたはみんなが持ってないようなオーラを持っている」というメッセージが連日届くようになりました。そして「金運を上げるため」という理由で、占い師に指定された言葉を送信。ただ、それを送るにはポイントを購入する必要があり、1万、2万……と課金をくり返すことに。お金が出せなった時に「私、何してるんだろう」と気づいたと言います。

同じような流れで高額な支払いをしている人も増加しており、専門家は「占い商法、詐欺的なサイトではないか」と疑わしいと考えざるをえないという見解。占いサイトに依存してしまうのは、ギャンブルやゲームの課金にはまってしまう心理と同じ状態で、途中から退会できない状態になるケースもあるようです。

占いサイト利用時の注意点

すべての占いサイトが悪いとは言いませんが、経済的被害によって生活が破綻したり、医学的治療を受けず命を落とす場合もあります。現実世界ではありえないような概念を説いたり、多額の金銭を求められる場合は、第三者目線が必要です。周囲に相談相手がいない場合は、ネット検索で悪評がないかよく調べることで、トラブルを回避することができるでしょう。たとえ占いサイトにすがりつきたい状態になっても、拠り所にしないことを目指すべきなのかもしれません。

占いは、筋トレやマッサージのようなもの。適度に行えば心身の健康に役立ちますが、過度に行えば不健康になります。生活を一気に変えてしまうような付き合い方はやめるようにしましょう。今後は、行政が組織のシステムを理解し、公表する仕組みづくりも大切になってきます。

怪しいと感じた時は、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内し、消費生活相談のサポートをしてくれる消費者庁の消費者ホットライン「188（いやや）」を利用してみましょう。

個人情報の入力に注意

占いサイトの多くは「生年月日」や「名前」を入力する必要があり、電話番号やメールアドレスの登録を求められる場合もあります。登録情報を利用して「特殊詐欺」を行うケースも考えられますので、サイトの安全性を見極めてから利用してください。

詐欺サイトチェッカーなどの無料のURLチェックサービスを使うと、ワンクリック詐欺サイト、フィッシングサイト、 ウイルス等を配布しているウェブサイトなど、アクセスすると危険なサイトを調べることができます。使い慣れていないアクセスする際は、チェックしてから利用すると安心でしょう。

占いサイトの二次被害に注意

「占いサイトの詐欺を解決する」といった探偵事務所を名乗る詐欺が増えているようです。国民生活センターの報告によると、占いサイトでトラブルとなった人が返金請求をしようと探偵事務所に相談すると、探偵事務所に高額請求されたというケースも。実際は良質な占いサイトを使用して場合でも、探偵事務所が「それは詐欺ですよ」と勧誘し被害につながっているようです。探偵事務所や法律事務所に依頼する時は、少し慎重になりましょう。悪質占いサイトの被害に合ってしまった場合は、一度「独立行政法人・国民生活センター」に相談してみるのが良いのかもしれません。

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