除雪機の使用時の事故に注意!その使い方大丈夫?

全国的な大雪により、家庭用除雪機の稼働を目にする機会が出てきましたので、改めて注意喚起的な事と、そこから起こる本体への負担への説明です。

毎年起こる事故

家庭用除雪機における事故の多くはヒューマンエラー(人為的ミス)と言われています。多くは「轢かれる」「巻き込まれる」が大きい要因となっています。 これは消費者庁の統計でも実際に注意喚起として出されている。また家庭用除雪機を新品で購入した際に付属する保険でも多く問い合わせがあるそうです。

改めて歩行型ロータリー除雪機について

家庭用除雪機の中でも一般的なのが、『歩行型ロータリー除雪機』と言われる物。雪を砕きながら集め飛ばすタイプの物を言います。 雪を飛ばさず、押すだけユキオスSB800などの事を『ブレード式除雪機』と言います。

ブレード式除雪機はホンダのユキオスSB800、工進のオスカル600など、名前をよく見ると「雪押す」「押す軽(い)」などのとても分かりやすい名称になってます。 個人的には『動力付きママさんダンプ』と言う表現がしっくりきます。

今回は前者の『歩行型ロータリー除雪機』に重点を置いて話を進めます。

デッドマンクラッチ(安全装置)

早速画像では悪い例を紹介致します。この状態では安全装置が働かない状態になります。ここからエンジンを掛けると、走行と除雪ロータリーは駆動するようになります。基本家庭用除雪機では、本体から手を離すと動力が伝わらない構造にしてあるので、例えば後退をして操作している人間が倒れたとなるとハンドルから手が離れます。そうすると、デットマンクラッチ(安全装置)が作動した場合、スプリングの力でクラッチが切れ、エンジンは掛かったまま移動、除雪作業が停止します。これがデットマンクラッチの役割となります。

機械的な構造を理解する

画像は先程の個体と異なり、HS655の物を使用していますが、基本構造は変わらないので、これで説明します。先程のデットマンクラッチ(安全装置)で作動するのは左側にあるプーリーになります。写真ではベルトがたわんでいるので、正常に作動している状態になります。デットマンクラッチを握った状態にすると、左のプーリーがベルト側に押し付けられエンジンの動力がベルトに伝わり除雪機が作動します。 つまりデットマンクラッチを解除した場合、常にエンジンの動力が走行又はロータリー側(もしくは双方)に伝達する事になります。正直デメリットが多過ぎるのです。

メリット・デメリット

『安全装置を外すな』と言う基本的な事なので、メリットデメリットも何もないのですが、 メリットとしては「後ろを歩いていくだけで良い」位しかありません。その代わりにデメリットは多い。

  1. エンジン始動が重い
  2. ベルトの消耗が激しくなる
  3. 万が一の時に怪我をする可能性がある
  4. 保険適用外

と言う事が挙げられます。1ではエンジン単体に比べると、走行又はロータリー側(もしくは双方)に負荷が掛かっているので、セルモーター(又は人力のリコイルスターター)に力が加わり破損の原因になります。 2では1の弊害でもあり、擦れるなどの原因もあり劣化は早くなります。 3では巻き込みなど消費者庁でも警告しているような重大事故に関わる事があります。 4では想定外事例とされ、保険も適用されません(過去に実例があったと保険会社に聞かされました) 自分の招いた自身の怪我ならともかく、他人巻き込んだら裁判コースか、刑務所行くかまたはその両方か…怖い話ですね。 とにかくデメリットだけでも実例含めこれだけポンポン出てくるのでデットマンクラッチ(安全装置)を解除してしまう事は推奨しません。絶対しないでください。

投稿者:

激団くりおね

北海道を拠点に全国展開してる Garage激の総合支配人 スローカーライフアドバイザー

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