【2U】ヨタハチ、パブリカ、ミニエースのカムシャフトを観察する

ヨタハチ、パブリカ、ミニエースに搭載されている2Uエンジンにはカムシャフトが何種類かあるという事で今回疑惑のエンジンを分解するにあたり、少し比較してみました。

疑惑のエンジン

疑惑のエンジンと言うのはトヨタスポーツ800【UP15】の2Uエンジンで紹介した、我が家最古の2Uエンジン(2U277248)。オイル管理を疎かにして始動不良と言う事、ヨタハチに積む用に予備としてストックしてあった物だけど動作確認が出来てる物を調達出来たという事で、使わなくなったのでと10~20年前位に譲って頂いた物です。エンジンは積んで、もう一基程よいコンディションにして次の交換用に…としていた為、程度の悪い物は時間を取れない間は手を付けず…が続いてずっと寝かしていました。正直、最近までパブリカ800用のエンジンだと思っていたのですが、どうも正真正銘ヨタハチのエンジンではないのか?と言う疑惑が生まれて着手する事に。

真相を確かめる為に用意した物

貧乏性故、使う為に買ったけど程度がそこそこの物を何個か持っていると、「まだ使えるからそれを使って新品は取っておこう」となる現象が発生する。 そしてまた、この新品のカムシャフトも深く調べていくと「初期生産品のお宝だった」、と言うお話を頂いた。

カムシャフト前方と後方から2Uの刻印が入っているのが確認できる(後方は写真左の物)。 「テーキン入りカムシャフト」と呼ばれ、品番は変わらないものの、後々刻印が無くなっているそうだ。主にカムの形状が多少違うと言う話もある。…カム形状が変更されてるのに番号が同じって、今でいえば「プロボックスの50系160系はマイナーチェンジ扱い」に通ずる物がある(?) 何台か載せて頂く機会はあったものの、自車とのトルク感の違い、音の違いをはメンテナンスや補機以外にもこのカム特性によって違うように感じていた可能性もあるのかもしれない。

エンジンから摘出したカムとの比較

手前が摘出したカムシャフトになる。50年位前の製造ではアラが多くブツブツ感が多く残っている。決して画像加工によるドットズレを起こしてる訳では無い。

参考例としてプロボックス(1NZ)のカムシャフトと比べてもカム山がガタガタしているのがよくわかる。

「テーキン入りカムシャフト」と言う存在を知らず、単純に「供給部品としての識別」なのかと思っていましたが、違うようですね。 ただ、憶測の域を出ていない部分でもあります。

カム山が削れているのはオイル管理が悪かった為、可動部の固着で本来追従しなければならない所が押し込まれず叩いた物と考えられる。再利用は難しそうだ。

ちなみに後部ホールは貫通している。白いパイプを通してみた写真を掲載。カムシャフトが中空パイプ状になっている。カムシャフトをまじまじと見る事はそんなにない機会なので色々と考えてあるのだなぁ~と感心するばかりです。

新品と、不具合のあったカムシャフトの山。惜しい事をしてるなと。まぁしかしこうなってなければエンジン本体も入手できなかったのはありますが。全体的に欠けが見られます。

ちなみにパブリカエンジンと新品の比較。カムの形状が多少変わっています。これでどれだけ変わるのかな? とも思いますが、パブリカエンジンだろうと、ヨタハチエンジンだろうとヨタハチを楽しんでる身としては不安なく気持ちよく走れればいいです。

おまけ

他の車のタイミングベルト交換等をやっていると、カムのタイミング調整に関して思い込みでミスを起こす事もあるので忘備録。 今時の車だと、クランクシャフトの半月キーが上部、またはポンチマークを合わせるとあるのですが、ヨタハチのエンジンではそうではない。 今回はシリンダーも取り外しているので目視しやすいですが、

クランクシャフトに取り付けるギアにトヨタの刻印が入ってる所と、カムシャフトのポンチを合わせると正しい取り付けになります。 一見、簡単な事に思える事ですが、その簡単な事に落とし穴が潜んでいるんですよね。 一回間違えて組んだのは内緒です(笑)

 

投稿者:

激団くりおね

北海道を拠点に全国展開してる Garage激の総合支配人 スローカーライフアドバイザー

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