GoogleやYahoo!など、検索エンジンの検索結果に表示される広告「リスティング広告」で指標となる用語についてまとめてみます。同じことを示していても略称になっていたり、上級者でも忘れてしまうケースもある大切な用語なので、必ず覚えておきたいものばかりです。または「なんとなくわかっている」と思っていても、人には説明しにくい時に活用してみてください。
リスティング広告の用語
リスティング広告は、英語で「product listing ads」です。広告がリストのように並べられて表示されることから「リスティング」と呼ばれたのが由来と言われています。
リスティングは広告の中でも最もスタンダードな広告手法の一つとして知られています。WEBマーケティングの最初の一歩でリスティングを開始する方も多いかもしれません。ここでは、広告を運営していく上で「必ず覚えておきたいリスティング広告の用語」を説明していきます。
インプレッション数(imp)
インプレッション数は「Impression(インプレッション)」や略して「imp(インプ)」と呼ばれることが多いです。英語を直訳すると「印象」という意味ですが、リスティング広告では「広告が表示された回数」という意味になります。
広告が表示されるということを「顧客(ユーザー)の目に触れた機会」とも言い代えるとわかりやすいかもしれません。
クリック数(CTs)
クリック数は、リスティング広告では「表示された広告がクリックされた数」という意味で使われています。インプレッションされたからと言って、広告を見たい全ての人がクリックすることがないため、現実的にはクリック数はインプレッションより少ない値になるのが一般的です。クリック数は「Click」「Click Through」「CTs」と表記されることもあります。
クリック率(CTR)
クリック率 = クリック数÷インプレッション
クリック率は「広告がクリックされた割合」という意味になり「Click Through Rate」や「CTR」と表記されることもあります。
クリック率は、クリック数をインプレッションで割った値。値が高いと、広告を見た人がクリックしたくなるような文言や画像になっているということになります。反対に、値が低いと、広告を見た人がクリックしたくなるようなものにはなっていないということが判断できます。
クリック率が高いからと言って、その広告が「良い」と判断するのは少し早いかもしれません。クリックされるからと言って、広告の目的―CV、つまり商品購入や登録―を達成するわけではないため、クリック率と目的を達成したかを見て判断するのが賢明でしょう。
とはいえ、広告がクリックされなければ、広告の目的を達成することはできないはずです。クリック率を高くし、適切な広告表示を模索していくことが大切です。
コスト(Cost)
コスト ≒ クリック数×平均CPC
発生した広告費を「コスト」と呼び、クリック数と平均クリック単価(平均CPC)をかけた値とほぼ同値になります。GoogleやYahoo!などにリスティング広告を掲載するための費用、支払った金額とも言えます。
広告は、コストが抑えながらも効果を最大化していくことが必要です。コストを増やしても効果が高ければ運用は問題がなく、コストが低くても効果が低ければ運用方法を改善する必要があります。
平均クリック単価(CPC)
平均CPC = コスト÷クリック数
平均クリック単価(CPC、Cost Per Click)とは「広告の 1 回のクリックに対して請求された金額の平均額」を意味します。クリックの合計費用を合計クリック数で割って算出されます。
平均 CPCが高いからといって広告効果が高いとは限りませんので、広告のコストとリターンを比べるための目安にしましょう。
コンバージョン数(CV)
コンバージョン数とは、広告をクリックして商品購入やお問い合わせなど、広告主が「成果」や「リターン」とみなした行動がとられた数です。英語では「Conversion」「CV」「CVs」と表記されます。
広告の目的は「クリック」されることではなく、その先の「コンバージョン」を獲得することです。運用上で最も重要視される数で、広告運用の課題と言えるでしょう。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率 = コンバージョン数÷クリック数
広告のクリック数に対しコンバージョンが発生した割合を「コンバージョン率(CVR)」と言い、コンバージョン数をクリック数で割ると算出されます。
コンバージョン数およびコンバージョン率を改善するには、表示される広告から流入する「ランディングページ(LP)」の質を高める必要があることを示していることが考えられます。また、表示された広告とLPのユーザー属性が合っていない可能性もあります。
広告を見てクリックしたユーザーがどのような気持ちでLPを見るのかを考えて、コンバージョン率を高めていきましょう。
顧客獲得単価(CPA)
CPA= コスト÷コンバージョン数
ユーザーを一人を獲得するために必要なコストのことを「顧客獲得単価(CPA)」と言います。顧客獲得単価は、広告でかかった全体の費用「コスト」を獲得した顧客数「コンバージョン数」で割ると算出することができます。
広告費用対効果(ROAS)
ROAS = 売上÷コスト×100
広告費用対効果「ROAS」とは「Return On Advertising Spend」の略で、売上をベースにコストの回収率を示す指標として活用されています。コストに対し、どれだけ売上をあげたのかを割合で知ることができるというものです。
売上とコストが1:1の場合、つまり「ROAS=100%」が基準となり、ROASからコストに見合った売上があがっているのかを判断することができるのです。
投資対効果(ROI)
ROI=利益額÷コスト×100
投資対効果(ROI)とは「Return on Investment」の略、ROASとROIは指標として似ているため比較して説明されることが多いです。ROASが「売上」をベースの指標に対して、ROIは「利益額」をベースの指標となっています。
売上がコストの2倍出た場合、ROASは200%となるため広告効果としては良いように思えます。しかし、広告のコストに対して利益がマイナスだった場合、ROIは100%以下となってしまうので赤字となってしまうわけです。
一般的な企業で広告運用する場合、ROASよりもROIを重要視する必要があると言われています。