SEOは時代によって変化していくので、少し気をぬくと知らない最新用語が増えていくと思う方も多いかもしれません。2018年に抑えておきたいSEO用語をまとめてみるので、チェックしていきましょう。
2018年は「高速化」を重視
検索サイトの掲載順を決める「Google検索アルゴリズム」は、Googleが求める「完璧な検索」を目指して日々更新され続けています。また、時代に合わせた変更もなされており、2017年に問題となった「フェイクニュース」や「医療情報表示」、モバイルユーザーが増えたことで「モバイルファーストインデックス(MFI)」なども検索アルゴリズム改変に大きく影響を及ぼしています。
WEBサイトがよりリッチ化する一方で、サイトの表示速度が遅くなっているという問題が深刻になり始めました。そのため、Googleは検索アルゴリズムを見直して、低速表示のWEBサイトを低品質とみなし、高速化されたWEBサイトを高品質とすることにしたようです。
Speed Updateを実施
専門家「すぐさまランキング表示に大きな影響はない」
Googleは「Speed Update(スピードアップデート)」を2018年7月に実施することを発表。内容としては、モバイル検索においてページ速度をランキング要因に使うというもので、専門家の間では「ものすごく遅いとユーザーに感じさせるページだけに影響」「優れたコンテンツであれば上位に表示」としており、すぐさまランキング表示に大きな影響はないとしています。ただ、それでも今後のサイト作りにおいて、コンテンツの品質のみらなず「高速化」というのは重要なキーワードとなりそうです。
2018年版!抑えておきたいSEO用語
2018年のトレンドとなりそうなのが「AMP」と「PWA」です。いずれもWEBサイトの「高速化」で使用される技術という印象ですが、高速化のみを目的として作られた「AMP」と、モバイルページの進化を目的とした「PWA」は、全く違う意味をなしています。
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは
AMP「モバイルページの読み込み高速化」
AMP(アンプ)とは、Googleが中心となって立ち上げた「モバイルWeb高速化のオープンソースイニシアチブ(Open Source Initiative )」のことで、モバイルでのWebページ読み込み高速化を目指し設立したプロジェクト及びその技術のことです。
AMPと似たような技術で、各社で独自の技術を採用しているケースもあり、Facebookでは「Instant Articles」、Appleは「Apple News」をそれぞれ採用しています。
AMP「モバイル高速化」の仕組み
- HTML:リンクをしてから読み込む
- AMP:あらかじめ読み込んでおく
これまでHTMLでWEBサイトを作成してきました。AMPの規定(フォーマット)にも合わせておくと、Googleがページをあらかじめ読み込んでくれるため、サイト表示が速くなります。
AMPの構成
- AMP HTML:高速化のため制限されたHTML
- AMP JS:HTMLを正しく高速化する機能
- AMP Cache:AMPページをキャッシュし配信
AMPは大きく3つの要素から構成されており、加えてデザイン調整で「CSS3」が使用されます。あらかじめ「AMP」が決めたフォーマットに合わせることで、有効なAMPページとなり、配信することができます。
Googleページでモバイル検索すると「雷マーク」が表示されているWEBサイトが、AMPの適応されたページとなっています。
AMPの課題
AMPの課題点は、高速化を重視しているため、表示に「制限」がかけられていること。HTMLで表示している内容をそのままAMPにすることはできないのが現状ですが、技術の進歩によって、表現の幅が広がってきています。
AMP Storyを発表
2018年2月13日、アムステルダムにて開催された「AMP Conf 2018」で、Googleは「AMP Story」を発表しました。AMP Storyは、InstagramやSnapchatで採用されているストーリー表示を、検索の上位に表示するというもの。
好きなブランドバックやアパレル、化粧品などの商品名やキーワードを検索した際に、検索結果の上部に「ストーリー」が表示されるのも、そう遠い未来ではなさそうです。
PWA(Progressive Web Apps)とは
PWA「Webのアプリ化プロジェクト」
PWA(ピーダブリューエー)とは、アプリで出来ていた表現をブラウザ上でも可能にするためのプロジェクト。これまでアプリのみで行っていた施策をWebサイト上でも実現できます。
PWA対応のメリット
- レスポンスの向上
- オフライン時の閲覧
- プッシュ通知
- インストール不要
- ストア審査不要
- GPSによる現在地取得の利用
- ネイティブアプリのUI実現
PWA対応をすることで、新たなブラウザをインストールすることなく、ネイティブアプリのような機能や体験をユーザーに提供することができます。また、アップデートの際もストア審査がないため、開発後すぐに公開することが可能です。
ブラウザデフォルトのUI(メニューバーなど)を非表示にすることによって、より快適なブラウンジングを可能に。また、ホームアイコンの追加、起動時のスプラッシュ画面などネイティブアプリに近い使い心地を実現します。
PWAの課題
- 管理コストの増加
- 非対応ブラウザの存在
- SSL化の対応コスト
ユーザー・デベロッパー双方にメリットが多いPWAは、様々な課題があるのが現状です。
(1)ネイディブアプリを提供しているデベロッパーが「PWA」を導入すると、これまで提供してきたアプリとブラウザの2重管理が発生します。導入後の施策で複数環境の管理を行うのは、コストがかかってしまうと考えられます。
(2)海外で使われているブラウザ「Chrome」はPWA対応済みですが、日本で多く利用されているブラウザ「Safari」は現在開発中となっています。現在、PWA対応を提供しても、恩恵を受けることができるユーザーはごく一部と言われています。
(3)これまで「HTTP」で作成されているサイトは「HTTPS」に切り替える必要があります。SSL化をするには、開発コストが発生するため、導入に時間がかかります。
AMP/PWAの使い分け
専門家「AMP to PWAがベスト」
モバイル高速化が行える「AMP」と「PWA」の対応優先度としては、すでに普及が始まっている「AMP」にするべきという考え方が主流。AMPがすでに対応済みであれば、PWAも対応し「AMP to PWA」にしていくのが理想的です。
AMP to PWAを実現すると、あらかじめキャッシュされたAMPページを検索サイトから素早く表示し、AMPページ閲覧中に裏側でPWAページを読み込むことで、2ページ目以降を高速表示することができます。
すでにアメリカなどでは対応するデベロッパーがいるため、日本にも数年後、AMP/PWAを対応していく必要がありそうです。
ニュースメディアならAMPは必須
サイトの特性によって、対応優先度は変わってきます。ECサイトであれば、必ず「決済」をするフローが存在するため、アプリのように決済できる「PWA」を導入するべきだという考え方が強いように感じます。一方で、ニュースメディアなど「テキスト」を重視するコンテンツにおいては、高速表示を優先する「AMP」を導入することが優先されると言われています。
WEBの高速化手法
WEB高速化の話をした時、AMP/PWAが注目されますが、導入コストがかかるのが現状。コンテンツの質を極力下げずに、提供速度を高めることも重要視されるべきです。
PageSpeed Insightsの活用
Googleは“ウェブページの読み込み時間を短く”を推奨しており、パフォーマンス計測ツール「PageSpeed Insights」を提供しています。0~100 の値として算出されるパフォーマンス改善の余地を推定したスコアとアドバイスをもとに、WEBサイトの改善を図っていきましょう。
主に重要な改善点
- リンク先ページでリダイレクトを使用しない
- レンダリングを妨げる JavaScript や CSS を削除
- ブラウザキャッシュを活用
- スクロールせずに見える範囲のコンテンツのサイズを削減
- サーバーの応答時間を改善する
- 圧縮を有効にする
- リソースを圧縮する
- 画像を最適化する
WEB速度がGoogleランクにすぐさま影響するものではないものの、PageSpeed Insightsのスコア80点以上を目指してWebサイトを改善することが、サイト品質を向上で大切なことだと思います。